ポートリンカーンの休日を終え、ポートオーガスタでの仕事に励む。ユニオンの関係から、我々はどんな場面でも、作業に手を出してはならない。そんな注意を着任時に受ける。建設工事現場だから多勢の職種の人達がいる。
愚生の担当は大型のタンクを建物の屋上に上架して、それを移動させて、再び高い基礎の上に据え付ける。その要領書やら計画図とか簡単な力学計算などをやる。
英国系のオーストラリア人と一緒にだ。彼はこの仕事を請け負っている社長でもある。親子兄弟で営んでいるようだった。
ヘタッピな英語なのに、何かしら、意気投合して仲良くなった。仕事は順調に進んだが、ある時、ワイヤーが切断する事故があり、ご息子が足首に怪我をした。親父であり社長である彼から随分叱られていた。気の毒なことをしたが、幸いに軽い怪我で、翌日からまた働いていた。大丈夫か、と聞くと頷いていた。
現場で働いている人たちは、皆プロ意識が大変強く、怪我などしてはならないことを鉄則のようにしていた。異国の地でそれを肌で感じた。
全ての仕事を終え、帰国の日が決まった時に、彼ら家族から送別会の招待を受けた。聞くところによると、この現場ではこんなことは初めてだと、サイトマネージャーが言っていた。奥様を含めた家族皆んなの紹介を受け、レストランで食事会をやってくれた。
帰り際、お土産にと、名産のオパールをくださる。その時の奥さんのハグがとても自然であったことを、今でも覚えている。
オーストラリア人との短い付き合いだったが、思い出いっぱい。今でも彼らの顔を覚えている。何を飲み何を食べたかまでは失念。
数日後帰国の途につく。例のオイル漏れの小型プロペラ機でアデレードを経由してシドニーに向かう。勿論、アデレードでカンタスにスイッチしてだ。
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