2013年3月6日水曜日

帆船海王丸と日本丸のプロペラ

 ヨットのプロペラ抵抗について、Iさんに調べて貰っていることを投稿しましたが、昨日、メールを頂きました。
 海事科学研究科博士前期課程船舶工学研究室の院生のNさんが、その見解を述べて頂いたメールだったんですが、その中に大変興味深いことが記述されていました。
 そのN院生の見解、下記の通り転記させて頂きます。「さて、Y先生がヨット帆走時におけるプロペラの取り扱いに関して、N教授にご質問されたとの事を、同じ研究室所属のN院生から伺いました。
質問の要点は、帆走時にギアをニュートラルにしてプロペラを遊転させるのが良いのか、それともアスターンに入れてプロペラを固定したほうが良いのか、という点だと理解しております。
 私の知る限りでは、航海訓練所所属の帆船日本丸と海王丸が参考になるかと思います。
乗船実習の際、日本丸と海王丸の違いについて の講義があり、その時得た知識を紹介させていただきます。
 日本丸は固定ピッチプロペラのため、帆走時はギアを外してプロペラを遊転させています。
それに対し、海王丸は可変ピッチプロペラで、帆走時はフェザリングと呼ばれるプロペラピッチを進行方向に向けた状態にし、水抵抗を減少させています。
 微風下では日本丸のプロペラが遊転しないため、抵抗の少ない海王丸が有利だと言われています。反対に、強風下で速度が出てくると日本丸のプロペラが遊転し、推進力を生み出すため日本丸が有利だと言われています。
 この事がクルーザーヨットにも当てはまるかどうか疑問が残りますが、1つの目安になるのではないかと思います。ご参考にしていただけると幸甚です。」
 文中の「プロペラが遊転し、推進力を生み出す」、この一言が全てを物語っていると思います。この場で恐縮ですが、Iさん、それからN院生さん、ありがとうございました。
なにか、皆さんを巻き込んでしまいまして、申し訳なく思っています。なお、以下の写真は小生で検索したものです。
 写真2枚共、かもめプロペラ株式会社出典です。同社のホームページを一度ご覧になって下さい。凄い技術力ですよ。

海王丸のプロペラです。
フェザとは鳥の羽からきているようで、
ポートサイド、たたんだ形が鳥の羽に似ているから・・・。
ここでも飛行機の匂いがする。
写真出典:かもめプロペラ株式会社

中空シャフトの中にフェザリングの為の駆動システムが組み込まれているのでしょう。
その仕組み、概念図を見ると面白いですよ。
写真出典:かもめプロペラ株式会社



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